バースデーカード
『お前の体の中でな』


え……?


それがなにを意味しているのか、瞬時には理解できなかった。


新は俺の体の中で生きている?


それってまさか。


俺は自分の入院着の前をはだけた。


胸のあたりに少しだけ傷が残っているのがわかる。


『もしかしてこの傷……』


『新の臓器が入れられたのよ』


お母さんが声を震わせて言った。


新の臓器が、俺の体内に……。


ゾクリと背筋が寒くなった。


あの男の言っていた通りになった。


新の臓器が体内に入り、そして俺は目が覚めたのだ。


『な……んで……』


傷口をなでるが、そこには一人分の体温しか感じられなかった。


『なんでだよ!』


無意識のうちに涙がこぼれ出していた。


ボロボロと頬を流れて落ちた涙は、白いシーツにシミを作る。
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