バースデーカード
旬は真っ青になっている。


「あのバースデーカードを作ったのは……復讐のためだろ?」


旬の言葉に新は左右に首を振った。


なにかを訴えかけるように旬を睨みつけている。


あたしと和樹は慌ててその場を離れた。


「みんなと……花火をしたかった」


新が絞り出すような声で言った。


花火……。


「そういえば、夏には花火をしようって言ってたんだ」


和樹は思い出したように言う。


新が嬉しそうに頬を緩めて、頷いた。
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