バースデーカード
「だけど夜の学校なんて滅多に入れないんだ。冒険したくなってきた!」
目を輝かせているのは幹生1人だけだ。
和樹がため息を吐いて「ここはゲームの世界じゃないんだぞ」と、たしなめている。
とにかく全員いつも通りだということがわかって、少しだけ安心できた。
それから7人でぞろぞろと昇降口へ移動し始めた。
夜の校舎は自分たち以外の足音も聞こえなくて、不気味な雰囲気をしている。
あたしは微かに背筋が寒くなって咄嗟に振り向いた。
薄暗い廊下の向こうに、黒い人影が立っているのが見えて立ち止まる。
「どうしたの?」
「あれって……」
若菜に聞かれてあたしは廊下の先を指差した。
「あぁ、鏡?」
若菜にそう言われて、付きあたりに鏡が設置されていることを思い出した。
写っている自分たちの姿が黒い影になって見えていたみたいだ。
そうとわかると途端におかしくなって、プッと吹きだした。
「ごめん。ひと影だと思ってビックリしちゃった」
「これだけ暗いんだもん、そういうこともあるよね」
若菜はそう言いながら笑っている。
笑ったことで少し気分が変わったあたしはさきほどよりも軽い足取りで昇降口へと向かった。
目を輝かせているのは幹生1人だけだ。
和樹がため息を吐いて「ここはゲームの世界じゃないんだぞ」と、たしなめている。
とにかく全員いつも通りだということがわかって、少しだけ安心できた。
それから7人でぞろぞろと昇降口へ移動し始めた。
夜の校舎は自分たち以外の足音も聞こえなくて、不気味な雰囲気をしている。
あたしは微かに背筋が寒くなって咄嗟に振り向いた。
薄暗い廊下の向こうに、黒い人影が立っているのが見えて立ち止まる。
「どうしたの?」
「あれって……」
若菜に聞かれてあたしは廊下の先を指差した。
「あぁ、鏡?」
若菜にそう言われて、付きあたりに鏡が設置されていることを思い出した。
写っている自分たちの姿が黒い影になって見えていたみたいだ。
そうとわかると途端におかしくなって、プッと吹きだした。
「ごめん。ひと影だと思ってビックリしちゃった」
「これだけ暗いんだもん、そういうこともあるよね」
若菜はそう言いながら笑っている。
笑ったことで少し気分が変わったあたしはさきほどよりも軽い足取りで昇降口へと向かった。