バースデーカード
☆☆☆

どこから新が出てくるかわからない。


その状況で学校内を歩き回るのは恐怖でしかなかった。


少し歩くだけで全身から汗が噴き出す。


誰かが物音を立てるだけで、心臓は縮みあがる。


そんな中階段をあがってどうにか職員室の前までやってきた。


薄明かりの中で職員室のプレートを見つけてひとまず息を吐きだした。


問題は鍵が開いているかどうかだった。


さっき保険室の鍵は開いていたけれど……。


不安な気持ちのままドアに手をかけて力を込める。


ドアはすんなりと開いてくれた。


開いた!!


思わず声を上げそうになり、両手で口をふさいだ。


ここまで来て新に気がつかれるわけにはいかない。


相手は幽霊だから物音なんて関係ないかもしれないけれど、用心に越したことはない。
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