バースデーカード
そんなことを考えながら1階の調理室まで向かった。


幸いその間新に会うことはなかった。


まだ職員室にいるのかもしれない。


和樹が調理室のドアを開けようとしたが、すぐに舌打ちをした。


「くそ、開かない」


「嘘」


呟き、自分でもドアを確認する。


しっかりと鍵がかけられているのがわかった。


保健室の鍵は開いていたから、てっきりどこの教室も入れると思っていた。


試しに窓を確認してみたけれど、やはり鍵は掛けられた状態だ。


これじゃ包丁を入手することができない……。


包丁を持っている悪霊相手に、武器を持たない生身の人間が勝てるなんて思えなかった。


一瞬にして頭の中に悲惨な映像が浮かんできた。


7人とも新に刺し殺され、血でぬれている映像だ。


あたしはすぐにそれをかき消した。


嫌な妄想をすることで、それが現実になってしまいそうで怖かった。
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