バースデーカード
そして、一番その仲間になりえるのは……若菜だ。


若菜の顔が浮かんできたとき、全身に衝撃が走った。


このメンバーでは一番の親友である若菜が、新の仲間?


あたしたちを学校内に閉じ込めて殺して行くことに加担しているっているの?


心臓が早鐘を打ち始めて、言葉が出なくなる。


背中に嫌な汗が流れていった。


「若菜は新のことが好きだった。だから、新の味方をして武器を手に入れられないように細工した……」


「そ、そんなことあるはずない!」


あたしはやっとどうにか否定することができた。


若菜に限ってそんなことするはずない。


若菜はとても素直で可愛くて、いい子だ。


メンバーの中で一番若菜のことを知っているのはあたしなんだから、言いきることができる。


「若菜はそんなことしない!」


あたしはそう言い、和樹を追い越して職員室へと向かったのだった。
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