バースデーカード
廊下に尻もちをついていたのは笑だったのだ。


「笑!?」


あたしの声に和樹がホッと息を吐き出してあたしから離れた。


「な、なんだ……結子と和樹だったんだ」


笑も安堵のため息を漏らしている。


廊下にはホウキが転がっていて、それは笑が武器として持っていたものみたいだ。


「笑、ずっとここにいたの?」


「うん。職員室から一番近いからね」


笑は頷く。


笑の姿を確認すると、右足に包帯が巻かれているのが見えた。


「それは?」


和樹が足首を指さして聞く。


「職員室から逃げた時にひねったの。ここ、救急箱も置いてあったから、勝手に湿布と包帯を拝借したの」


そう言って笑は応接室の中を指差した。


応接室の奥は給湯室もあり、ここにいれば簡単な生活ができそうだった。
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