バースデーカード
笑の悲鳴が聞こえてきてハッと息を飲んだ。


パーテーションから少し顔を出して確認すると、月明かりで新の顔がハッキリと見えた。


悲鳴を上げてしまいそうになり、咄嗟に両手で自分の口を覆った。


あいつ、帰ってきやがった……!


「死んでるかどうか確認しに来たら、獲物が沢山いる」


新は楽しげな笑い声を上げ始めた。


ケタケタケタケタと、職員室中に響き渡る声で。


新は笑いながら3人へ向けて歩き出した。


「あ、新やめて! なんでこんなことすんの!?」


その時、笑と新は幼馴染だったことを思い出した。


だから笑はあんなに果敢に声をかけることができているのだ。


新は体の向きを笑へと変えて、歩きだした。


その手には包丁が握りしめられている。


次の瞬間、一気に笑との距離を縮めた新は笑の首に包丁を突き立てていた。


笑が「ぐぇっ」とカエルのような声を漏らす。


「あ……らた……」


笑の体は力を失い、そこ倒しに倒れ込む。


「逃げるぞ!」


和樹が叫ぶ。


「結子!」
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