バースデーカード
ドアが開いて出てきたのは若菜本人で間違いなかった。


その姿に和樹がフッと体の力をぬくのがわかった。


若菜の目は真っ赤に充血していて、ずっと泣いていたのがわかった。


「若菜!」


あたしは若菜に手を伸ばし、その体を抱きしめた。


たった数時間で随分と小さくなってしまったように感じられた。


若菜はあたしにされるがまま、抱きしめられている。


和樹は若菜が無抵抗で、武器もなにも持っていないことがわかると、ようやく安心したように胸をなでおろした。


「若菜大丈夫?」


若菜は左右に首をふる。


「なんで新があんなことに……」


悲痛な若菜の声にこちらまで泣きそうになってしまう。


「そうだよね」


あたしは若菜の体をキツク抱きしめた。


「高校に入って初めて新を見た時、すごく衝撃的だったの……」
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