バースデーカード
そしてその日の放課後。


2人で公園に立ち寄ったとき、新への気持ちを聞かされたのだ。


『新ってかっこいいもんね』


あたしは何度も頷いてそう答えた。


幸いにも新はあたしたちと仲がいい。


今までも何度か会話する機会はあったようで、2人の距離はとても遠いとは感じられなかった。


『だよね!』


新のことを褒められた若菜はまるで自分のことのように喜んだ。


その表情はとても可愛くて、恋する乙女だと感じられた。


その日から、あたしは若菜と新の恋を応援するようになった。


できるだけ2人の共通すぐ話題を出したり、若菜の背中を押して話しかけさせたり。


いつの間にか笑と千秋の2人も若菜の気持ちに気がついて、みんなで若菜を応援するようになっていた。


『昨日新に好きな子がいないのか聞いたら、好きかどうかまだわからないけど、若菜のことが気になってるって言ってたよ』


新の幼馴染である笑からの情報に4人で自分のことのように喜んだ。


2人はきっとうまくいく。


笑からの情報に自信が出た若菜は何度か自分から新をデートに誘っていた。


最初はファミレスで1時間ほど会話するだけ。


それがだんだん長くなってきて、休日には1日中遊んだこともあるらしい。


その時のことを若菜はとても嬉しそうに話てくれた。
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