バースデーカード
『交通事故の手術、すぐに終わったんだね。だからきっと軽傷だったんだよね?』


エレベーターの中で聞く。


あたしは若菜の手を握り締めて『きっとそうだよ。大丈夫だよ』と、答えるしかなかった。


先生から教えられた病室へ向かうと、新は包帯でくるまれ、沢山の器具に囲まれていた。


若菜の手が微かに震えた。


強く握りしめようと思ったその手は振りほどかれていた。


『新!!』


若菜はベッドに駆け寄り、包帯だらけの新の手を握り締めた。


『新、あたしだよ、わかる!?』


そんな若菜の声に反応するように、新のまつ毛が揺れた。


『みんな……俺たち……ずっと……友達だよな?』


『友達だよ! ずっと友達だから、だから行かないで!』


若菜は叫んだ。


そして新の体を抱きしめる。


医師たちに止められるかと思ったが、みんな2人を見守っていた。
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