バースデーカード
「あの時、新はあたしにだけ聞こえる声で言ってくれたの。好きだよって……」
目の前にいる若菜からの告白にあたしは驚いた。
あのタイミングで告白されているなんて思ってもいなかったからだ。
新もずっと、若菜に気持ちを伝えたかったのだろう。
「新はあんなに苦しんでたのに、事故を起こした男は大した罪には問われなかった。あたし、ずっとそれが許せなかった!」
「車の不具合が原因での事故だったんだよな」
和樹が静かな声で言う。
あたしもその事実を聞かされた時はショックだった。
車が原因で起こった事故だから、運転手の過失はとても少なかったのだ。
その後同じ型の車はリコール対象になった。
でも、ただそれだけだ。
世間では運転手の男への同情まで集まった。
下手をすれば、新が悪いという意見まで出てきたくらいだ。
それは若菜にとってとても辛いことだったと思う。
行き場のない怒りはたまっていく一方だっただろう。
目の前にいる若菜からの告白にあたしは驚いた。
あのタイミングで告白されているなんて思ってもいなかったからだ。
新もずっと、若菜に気持ちを伝えたかったのだろう。
「新はあんなに苦しんでたのに、事故を起こした男は大した罪には問われなかった。あたし、ずっとそれが許せなかった!」
「車の不具合が原因での事故だったんだよな」
和樹が静かな声で言う。
あたしもその事実を聞かされた時はショックだった。
車が原因で起こった事故だから、運転手の過失はとても少なかったのだ。
その後同じ型の車はリコール対象になった。
でも、ただそれだけだ。
世間では運転手の男への同情まで集まった。
下手をすれば、新が悪いという意見まで出てきたくらいだ。
それは若菜にとってとても辛いことだったと思う。
行き場のない怒りはたまっていく一方だっただろう。