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夕暮れ時、天気が悪いようでいつもの教室内は薄暗かった。
「まじ、つかえねー」
あたしへ向けて唾を吐きかけるように言ったのはおなじクラスの口田靖(クチダ ヤスシ)。
床に倒れ込んでいたあたしはどうにか上半身だけ起こして「ごめんなさい」と、消え入りそうな声で言った。
靖は短い髪の毛をガシガシとかいてあたしを見下ろしている。
「で、でも靖子は悪くないよ」
震える声で言ったのは巻口夢(マキグチ ユメ)。
あたしの隣で同じように座り込み、青ざめた顔で靖を見ている。
いや、実際に怖いのは靖ではなかった。
その隣りの神田陸(カンダ リク)でもなければ、公森愛子(キミモリ アイコ)でもない。
一歩後ろであたしたちを見下ろしている河地美紀(カワチ ミキ)が怖かったのだ。
後のメンバーは美紀の機嫌を取っているだけだから、それほどでもない。
「はぁ? お前こいつのこと庇うのかよ」
靖が威勢よく言って夢を睨みつける。
夢は一瞬ひるんでうつむいてしまった。
「だって、机が離れてるのにカンニングさせろなんて、無理なこと言うから……」
夢は靖から視線を外して呟く。
「まじ、つかえねー」
あたしへ向けて唾を吐きかけるように言ったのはおなじクラスの口田靖(クチダ ヤスシ)。
床に倒れ込んでいたあたしはどうにか上半身だけ起こして「ごめんなさい」と、消え入りそうな声で言った。
靖は短い髪の毛をガシガシとかいてあたしを見下ろしている。
「で、でも靖子は悪くないよ」
震える声で言ったのは巻口夢(マキグチ ユメ)。
あたしの隣で同じように座り込み、青ざめた顔で靖を見ている。
いや、実際に怖いのは靖ではなかった。
その隣りの神田陸(カンダ リク)でもなければ、公森愛子(キミモリ アイコ)でもない。
一歩後ろであたしたちを見下ろしている河地美紀(カワチ ミキ)が怖かったのだ。
後のメンバーは美紀の機嫌を取っているだけだから、それほどでもない。
「はぁ? お前こいつのこと庇うのかよ」
靖が威勢よく言って夢を睨みつける。
夢は一瞬ひるんでうつむいてしまった。
「だって、机が離れてるのにカンニングさせろなんて、無理なこと言うから……」
夢は靖から視線を外して呟く。
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