恐怖ダウンロード
「愛子にもなにかが起こるってことだよね?」


「もちろん、そうなるでしょ」


あたしは答える。


今まで愛子へはアプリを使っていなかったから、それがどんなものなのか見物だった。


楽しみだと感じる気持ちも確かにある。


でも、やはりあたしの中には不安も大きく存在していた。


「美紀がもう少し大きな怪我をすれば面白かったのにね」


夢の言葉にあたしは苦笑した。


階段から落ちたのに軽傷だったことにガッカリしているみたいだ。


どうせなら靖たちと同じように病院送りになればよかったのにと、思っているようだ。


「タバコを飲み込んでもすぐに学校に復帰したくらいだもん。美紀はやっぱり図太いんだよ」


あたしは肩をすくめてそう言ったのだった。
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