恐怖ダウンロード
虫はまだ生きていて、テーブルの上で見ずに濡れた状態でもがいている。


「虫だ……」


「きっとコップの中に入ってたんだよ」


夢が言う。


そしてあたしは陸のことを思い出していた。


「もしかしてこれが損失?」


「そうなのかも!」


夢がまた目を輝かせた。


「陸みたいに体内から虫が溢れださなくて良かったね」


冗談半分に言われたため、あたしはまた顔をしかめる。


口直しをするために、新しい飲み物を注文したのだった。
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