恐怖ダウンロード
そして重大なことを思い出し思わず「あっ!」と、声を上げていた。


「どうしたの靖子?」


「あのおばあさん、どうしてスマホロックを解除できたんだろう」


あたしのスマホは6桁の暗証番号を入力するか、指紋認証になっている。


どちらを解除するにしても時間はかかるはずだ。


でもさっきのおばあさんはものの数分でスマホを返してきた。


そう考えた瞬間ゾッと背筋が寒くなるのを感じた。


イジメられているときとは違う、別の寒気に襲われて身震いをする。


「さっきのおばあさん、ちゃんと足ついてたよね?」


おばあさんに人間ならぬものを感じてあたしは夢に聞いた。


夢は何度も「あったよ」と、頷く。


それにホッとしながらも、あたしはスマホ画面を見つめた。


《恐怖アプリ》ってなんだろう?


聞いたことのないアプリだ。


でも消しておいた方がよさそうだ。
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