恐怖ダウンロード
☆☆☆

それから2人で近くの公園に来ていた。


《恐怖アプリ》を起動させると、すぐに真っ黒な画面が表示された。


赤文字で説明文が書かれているから読みにくくてしかたない。


「恐怖を与えたい相手の顔写真を当アプリにUPします」


あたしは画面上の説明文を読み上げていく。


「するとアプリが勝手に相手になんらかの恐怖を与えます?」


続きを読んだ夢がプッと笑った。


つられて笑顔になってしまい、顎が痛んだ。


「相手に与えた恐怖に応じて、利用者にはなんらかの損失の損失を負ってもらいます」


その説明文の下には《同意する》ボタンが表示されている。


しかし、《同意しない》ボタンはどこにもなかった。


「なにこれ、子供騙しなアプリだね」


夢があたしから身を離して言う。


「そうだね。ゲームかなにかなのかも」


でも、《同意する》ボタンしかないことは少し気になった。


「ほっとけばいいんじゃない?」


夢の言葉に頷き、あたしはアプリを閉じようとした。


しかし、画面は切り替わらない。


「あれ、なんで?」
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