恐怖ダウンロード
夢はまた、絵を描いているみたいだ。


それがどんな絵なのかあたしはまだ見ていないけれど、休憩時間になると熱心にノートへ向かっていたりする。


もしかしたら、少しずつ昔の自分の絵を取り戻してきているのかもしれない。


4人がいなくなったことで、やっと止まっていた時間が動き出したように感じられる。


昼休憩になるとあたしと夢と田淵さんと和田さんの4人でお弁当囲んだ。


そんな幸せな時間を満喫しているときだった。


1人の男子生徒が慌てた様子で教室へ戻ってきたのだ。


「大変だ!」


その声にクラスメートたちの視線が男子生徒へ集まる。


あたしも、玉子焼きを持っていた箸を止めて男子生徒へ視線を向けた。


「陸が死んだって!」


その言葉に一瞬教室内は静まりかえった。


誰もが言葉の意味を理解できていなかったと思う。
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