恐怖ダウンロード
世界が冷たすぎて、口を開けば凍えてしまいそうだったから。


『ほんと……ウザイからやめてよね』


何も言えないあたしたちへ向けて愛子は言葉を重ねた。


その声はとても震えていて、愛子の本心じゃないんだろうなということは理解できた。


美紀に言わされているのだと。


愛子の後ろで美紀はずっと笑っている。


高みの見物というわけだ。


その瞬間胸の中に嫌なものが広がっていった。


人への嫌悪感だ。


美紀の性格の悪さに胸が悪くなってくる。


『それだけ?』


美紀は愛子に聞く。


愛子はまたビクリと震えた。


明らかに怯えている様子だ。


『あ、あんたたちなんか……友達じゃないから!』


最後は叫んだように聞こえた。


あたしと夢はその言葉に同時に目を見開いていた。


冷たい世界の気温が一気に体内へとなだれ込んでくる感覚がした。


全身が冷えていく。


動けない。


言葉も発せない。


そのときのあたしはまるで、氷の像のようだったと思う。


愛子は尚も罵倒を続ける。
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