恐怖ダウンロード
☆☆☆

頑張って登校すれば、朝からこんなに面白いものを見ることもあるんだ。


いい気分になって2年D組の教室に入ると、夢が駆け寄ってきた。


「靖子、昨日のアプリ大丈夫だった?」


挨拶もなしにそう聞いてくる。


よほど心配だったみたいだ。


「なんか変な気はするけど、今のところなんともないよ」


返事をして席へ向かう。


夢はホッとしたようにほほ笑んだ。


「よかった。あのおばあさん一体なんだったんだろうね?」


「本当にそうだよね。あたしからスマホを奪った時の動き、おばあさんのものじゃなかったよ」


あたしは昨日の出来事を思い出して言う。


あの俊敏な動きはあたしでも無理っぽい。


「そういえば、夜中にあのアプリが勝手に起動してたんだよね」


「え、それってやっぱりヤバイんじゃないの?」


夢がまた心配そうな顔をするので、あたしは左右に首を振った。


「ただ写真をUPしただけだから大丈夫」


「それって、アプリの説明にあったやつ?」


聞かれてあたしは頷いた。
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