恐怖ダウンロード
「誰の写真をUPしたの?」


途端に小声になる夢。


なんだかんだ言って、そういうところは気になるみたいだ。


「靖の写真にした」


あたしがそう言うと、夢はキョロキョロと周囲を見回した。


「そう言えば靖、今日はまだ登校してきてないね?」


もう美紀たちも来ているのに、靖の姿は見えない。


あたしは今朝靖がドブにはまった場面を思い出し、こらえきれずに笑ってしまった。


美紀たちが怪訝そうな顔をこちらへ向けてきたので、慌ててそっぽを向く。


「靖は今朝ドブにはまったんだよ。だから一旦帰って靴とか履き替えてくるんじゃないのかな?」


その説明に一瞬夢はキョトンとした表情を浮かべ、それから笑い始めた。


「ドブって、嘘でしょう?」


「本当だよ。あたしの目の前にいたんだから」


思い出してもやっぱり面白い。


スマホばかり見て歩いているから、あんなことになるんだ。


「それってさ、アプリの力ってこと?」


ひとしきり笑った夢が言う。
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