恐怖ダウンロード
☆☆☆

靖はホームルームには遅刻したけれど、ちゃんと登校してきていた。


ドブにはまったということはもちろん黙っていて、美紀たちと変わらぬ日常を過ごしている。


つまり、あたしと夢をイジメているということだ。


「ほんと、腹立つ」


昼休憩中、トイレに立ったあたしは鏡へ向けて呟いた。


「靖のこと?」


隣りで手を洗う夢が聞いてくる。


「うん。ドブにはまったくせにさ」


「それ、何度も言うよね」


夢が笑いながら言う。


美紀たちと一緒にいる時の靖は気が大きくなるようで、一番嫌みを言ってくるのだ。


その度につい今朝のことを口走りそうになってしまう。


それを言うと自分たちがどうなるかわかっているから、我慢しているけれど。


「さ、早く戻ってご飯にしようよ」


夢にせかされて、あたしはトイレから出たのだった。
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