恐怖ダウンロード
周囲で笑い合っている無関係の生徒たちを憎らしいとすら感じてしまう。


2人で埃っぽい空き教室にやってきて、黙々とお弁当を食べる。


でも、今日のお弁当ほど味のしないものはなかった。


教室へ戻ればまたひどくイジメられるはずだ。


もうこのまま早退してしまおうか。


そんな考えが浮かんでくる。


「あのアプリの効果じゃなかったのかな」


不意に夢が呟いた。


「え?」


「今日ってまだなにも起こってないよね? ってことは、昨日の出来事はただの偶然だったのかな?」


「……そうかもしれないね」


あたしは口の中の食べ物をゴクリと飲み込んで答えた。


普通、偶然だと解釈する方が自然だった。


元々あのアプリのおかげで靖がドブにはまったなんて考えるほうがおかしいのだ。


それでも、少しだけ期待していた自分はいた。
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