恐怖ダウンロード
そこからか「危ない!」という声が聞こえてきたが、遅かった。


靖が声に反応して立ちどまったとほぼ同時に、植木鉢が地面に落下して割れていたのだ。


すさまじい音が周囲に響き渡り、悲鳴が上がる。


靖が「ギャッ!」と短く悲鳴を上げ、両手で鼻を押さえてうずくまるのを見た。


「大丈夫ですか!?」


見ず知らずの生徒が慌てて駆け寄っていく。


靖が顔をあげた瞬間、両手の隙間からボトボトと血が流れ出しているのが見えた。


植木鉢は靖の鼻を掠めて落下したみたいだ。


「歩けますか? 保健室に行きましょう」


生徒に支えられ、どうにか立ち上がる靖。


しかし足元はおぼつかず、ヨロヨロと左右に揺れている。


衝撃的な現場に遭遇してしまい、唖然としてしまう。


「もしかしてこれって……」


夢が呟いた時、あたしのスマホが震えた。


突然のバイブ音にビクッと体をはねさせて、画面を確認する。


『恐怖を与えました』


それはアプリからの通知だった……。
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