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「土下座っていうのは、額を床につけなきゃダメでしょう?」


美紀の言葉に他の3人が声を上げて笑う。


グッと奥歯を噛みしめ、涙をこらえる。


床に押し付けられた額が痛む。


「もうやめて!」


夢が泣きながら叫ぶ。


夢は関係ない。


今回はあたしが悪かったんだから。


そう言いたかったが、4人にとってはあたしも夢もターゲットで変わりない。


夢を庇うことで、余計にイジメられる可能性もあった。


「友達のために泣いてんの? 夢って優しいねぇ?」


美紀の興味がそれたおかげて、あたしの頭から足がどかされた。


ホッとしたのもつかの間、今度は夢が土下座を強いられる番だった。


「あ、あたしが失敗したせいでしょう!?」


夢の額が床につく寸前、思わず声を上げていた。


反論しない方が堅命だとわかっていたのに、つい……。


美紀があたしを睨みつけてくる。


「なに? あんたも友達を守りたいの?」


その質問に返事ができなかった。


もちろん守りたい。


だけど、美紀がどんな返事を望んでいるかがわからなくて、黙りこんでしまった。
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