恐怖ダウンロード
☆☆☆

美紀が緊急搬送されてから、次の授業は自習になっていた。


けれどみんな勉強そっちのけでさっきの美紀の奇行について噂をはじめている。


「美紀のあれ、なんだったんだろうね?」


「タバコの吸い過ぎでおかしくなっちゃったんじゃない?」


「普段から人のこと見下してるから、罰が当たったんだ」


「悪霊がとりついたんだ」


様々な憶測が勝手に飛び交う。


それを聞きながらあたしは悠々と出されたプリントをこなしていた。


「今日はすっごく楽しかったね!」


放課後になり、夢とともに教室を出た。


「でしょう?」


あたしは自信満々に答える。


陸たちは放課後になるのを待たずに早退してしまった。


きっと、美紀の搬送された病院へ向かうのだろう。


すぐに救急車で運ばれたから、残念ながら生きているだろうけれど。


「よくあんなこと思いついたね」


「美紀はしょっちゅうタバコを吸ってるからね」


本人も相当怖かっただろう。


想像するだけで笑えてくる。
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