恐怖ダウンロード
☆☆☆

1度家に帰ったあたしたちは私服に着替えて近くのファミレスに来ていた。


ジーンズとTシャツというラフな格好の夢は、布製のバッグから一枚の写真を取り出した。


それはあたしも持っているD組の集合写真だった。


「次は誰を選ぶの?」


あたしはドリンクバーのコーラを一口飲んで、夢に聞いた。


「靖だよ」


その返答に少しだけ拍子ぬけしてしまう。


順番で言えば愛子の番なのに。


「どうして靖なの?」


靖は美紀たちの起因魚のフンだから面倒くさいのはわかる。


でも、もう2度も恐怖を与えているのだ。


「実はね……」


夢は1年前の出来事を話し始めた。


高校1年生の頃、夢と靖は同じクラスで仲が良かったらしい。


靖は調子のいい性格をしていて、長いものに巻かれるタイプの生徒だった。


世渡り上手なところがあり、夢はそれに助けられることもあったという。


しかし、なによりも靖と一緒にいると楽しかった。


趣味で聞いていた音楽が一致したり、面白かった映画の話で盛り上がることも多かったらしい。


今の2人からは想像もできない過去だ。
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