恐怖ダウンロード
夢にとって衝撃的な言葉だった。


靖は自分の立場のために夢から離れたのだ。


美紀の、たったあれだけのことが原因で。


『あたしたちキスまでしたのに!?』


あのキスは夢にとって初めてのものだった。


とても大切で、特別なものだった。


それを汚された気がしたのだ。


『そんな大声で言うなよ! 誰かに聞かれたらどうするんだ!』


靖のその言葉は夢の気持ちを一気に冷めさせた。


目の前にいる靖は自分が好きになった靖じゃない。


こんな人、あたしは好きじゃない!


その日から、夢はずっと靖のことを憎んでいたそうだ。
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