恐怖ダウンロード
「ヒドイね」


あたしは眉間にシワを寄せて言った。


靖と夢がそんな関係だったなんて知らなかった。


そして今は同じクラスになり、夢は靖にイジメられているのだ。


夢は一体毎日どんな気持ちで登校していたのだろう。


考えると胸が痛くなった。


靖のことが許せない。


夢の気持ちが乗り移ったように、本気でそう思った。


夢は大きく頷く。


そしてオレンジジュースを一口飲んで息を吐きだした。


「このことを話したのは靖子が初めてだよ」


あたしは頷く。


そのくらいあたしのことを信用しているという認識でいいのだろう。


「わかった。それならこのアプリを夢に使わせてあげる」


あたしは『恐怖アプリ』を起動させてテーブルの上に置いた。


夢がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえてきた。


さすがに緊張しているみたいだ。
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