人権剥奪期間
「狩って、そういうの誰が決めたんですか」


あたしは一旦ドアを閉めてそう聞いた。


「今朝の会議で決まった」


「今朝の会議……?」


「そうだ。この学校に6人もの商品がいることなんて、これから先ないだろう。せっかくだから遊ぼうということになったんだ」


遊び……。


わかっていたことだけれど、いざ他人からそう言われると胸に刺さるものがあった。


「そんなことが会議で通ったんですか」


「通ったから、狩の時間が設けられたんだ」


先生はあたしの質問にかぶせるようにして答えた。


あたしはうつむき、下唇をかみ締めた。


悔しさが溢れ出して叫んでしまいそうになっている。


「先生たちもみんなストレスを抱えてる。君たち、子供のせいで」


「でも、あたしはなにもしてません!」


少なくても自分ではそう思っている。


普段から授業を妨害したり、先生の悪口を言っている子は他にたくさんいる。


「そんなのは関係ない」


先生が冷ややかな視線を向けてきた。


その目には体温がなくて、こちらはたじろいでしまう。
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