人権剥奪期間
しばらくして目が慣れてくると、あたしは教室奥の棚へ向かった。


木製の棚で、工具が収められているのだ。


目を細めて確認してみるとのこぎりやハンマー、釘など様々なものが収納されている。


ハンマーに手を伸ばそうとしたとき、触れる寸前で動きを止めた。


もし武器を持つことが許されていなければ、これに触れた瞬間警告音が鳴り始めるかもしれない。


安易に触れることができなくて、伸ばした手を引っ込めた。


武器に触れることができるかどうかわからなくても、ここにいればいざというときに攻撃することはできる。


たとえ警告音が鳴っても、それを無視してハンマーを握り締めればいい。


あたしはそう決めて息を潜めたのだった。
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