人権剥奪期間
そう思ってついていくと、たどり着いたのは屋上だった。


鍵を開けて外へ出ると心地いい風が吹いていた。


今日は天気もよくて外は眩しいくらいだ。


「気持ちいい……」


呟いて両手を空に突き上げる。


窓から外の景色を見ていたものの、こうして体全体で太陽の光を浴びるのは数日ぶりのことだった。


「本当。やっぱり外っていいね」


花子も珍しく口角が上がっている。


大志はドアの鍵をかけて自慢げに笑顔を浮かべた。


「普段上がれない屋上に来る生徒は少ないだろ」


「そうだね。その鍵は職員室から持ってきたの?」


聞くと、大志は頷いた。


「あぁ。ちょっと拝借してきた。でも合鍵はまた別の場所にあるだろうから、狩の時間は安全じゃないけどな」


それでも生徒から逃げることはできそうだ。
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