人権剥奪期間
☆☆☆
雨が上がったのは朝になってからだった。
小さな穴から太陽の光が差し込んできて、うずくまっていたあたしは顔をあげた。
「朝……?」
呟き、テントから出る。
あれだけ降っていた雨はピタリとやんで、太陽が顔を出している。
しかも、朝日だ。
雨にぬれた町を照らし出す光に心の中が透き通っていくのを感じた。
3日目が終わったのだ。
何事もなく。
誰にも追いかけられずに。
「すごい。本当に朝が来た」
隣に立ち、花子が感激の声をあげる。
雨音が消えた校舎から、狩の時間が終了したというアナウンスが聞こえてきた。
あたしは花子へ視線を向けた。
花子の目には涙が浮かんでいる。
つられて涙が滲んでしまった。
必死にこらえようとしても無理だった。
これまで毎日逃げ惑い、傷つけられ、死ぬかもしれないと必死で生きてきた。
一週間の人権剥奪期間の中で、こんな平穏な朝を迎えることができるなんて、思ってもいなかった。
雨が上がったのは朝になってからだった。
小さな穴から太陽の光が差し込んできて、うずくまっていたあたしは顔をあげた。
「朝……?」
呟き、テントから出る。
あれだけ降っていた雨はピタリとやんで、太陽が顔を出している。
しかも、朝日だ。
雨にぬれた町を照らし出す光に心の中が透き通っていくのを感じた。
3日目が終わったのだ。
何事もなく。
誰にも追いかけられずに。
「すごい。本当に朝が来た」
隣に立ち、花子が感激の声をあげる。
雨音が消えた校舎から、狩の時間が終了したというアナウンスが聞こえてきた。
あたしは花子へ視線を向けた。
花子の目には涙が浮かんでいる。
つられて涙が滲んでしまった。
必死にこらえようとしても無理だった。
これまで毎日逃げ惑い、傷つけられ、死ぬかもしれないと必死で生きてきた。
一週間の人権剥奪期間の中で、こんな平穏な朝を迎えることができるなんて、思ってもいなかった。