人権剥奪期間
その直後先生たちの足音がすぐ近くを通り過ぎていく。


「あいつら、屋上に向かったのか」


聡介が呟く。


きっとそうだろう。


屋上にはまだ花子がいるかもしれない。


あたしはスマホを取り出して花子にメッセージを送った。


《恵美:今先生2人が屋上に向かってる逃げて!》


そのメッセージにはすぐに既読がついた。


だけど返事はない。


お願い花子。


逃げ切って……!


あたしはスマホを胸の前で抱きしめて、そう願ったのだった。
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