人権剥奪期間
☆☆☆

気がつけば夜になっていた。


窓の外は暗く、時計を確認すると9時が過ぎている。


「聡介?」


暗い相談室の中声をかける。


しかし、返事はなかった。


「聡介?」


もう1度声をかけ、相談室の中を確認するが、聡介の姿は見当たらない。


トイレにでも行ったんだろうか?


もうすぐ狩の時間が始まる。


最後の狩の時間だ。


だけど今回は夜の12時なったら終わる。


あと3時間で人権剥奪期間は終了するから……。


あたしはそっとドアを開けて廊下を確認した。


誰の姿もないし、近くのトイレからも物音は聞こえてこない。


ハンマーを握り締めてトイレに近づく。


「聡介、いるの?」


声をかけながら中へ入った瞬間、足元になにかがあって躓いてしまった。


見ると、それは血がついたハンマーだったのだ。


昨日聡介が使っていたものだ。


その瞬間緊張感が体を駆け抜けた。


「聡介!?」


思わず大きな声で叫ぶ。


しかし、どこからも返事がない。


もしかして、誰かに捕まったんじゃ……!


最悪の事態を想像したとき、スマホがなった。
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