人権剥奪期間
その様子に少なからずショックを受けた。
エリカだけはいつも通りに接してくれると思っていた。
そう考える自分と、もしエリカがターゲットになっていたらどうだろう?
という気持ちが同時にわいてくる。
エリカがターゲットになっていたら、あたしも目をそらしてしまったかもしれない。
なにも言うことができないかもしれない。
悲しい気持ちになる反面、仕方ないとあきらめる心もあった。
「恵美」
突然名前を呼ばれて顔を上げるといつの間にか目の前に聡介が立っていた。
「なに?」
聞くと同時に聡介に手をつかまれて立ち上がらされていた。
よろけて何かにつかまろうとしたとき、数人の男子たちがあたしに向かって手を伸ばしているのが視界に入った。
え……?
なにかを考えている暇もなく、手を引かれて教室から走って出てきていた。
聡介はそのまま何も言わず、空き教室へ滑り込むと鍵をかけた。
廊下からバタバタとあたしたちを追いかけてくる足音が聞こえてきて、すぐに乱暴にドアをたたく音が響いた。
「おい! 女連れて逃げてんじゃねぇよ!」
「聡介の彼女なんだから、悪いようにはしねぇって!」
クラスメートたちの聞きなれた声に愕然とする。
それはさっきあたしを捕まえようとしていた男子たちの声で間違いなかった。
エリカだけはいつも通りに接してくれると思っていた。
そう考える自分と、もしエリカがターゲットになっていたらどうだろう?
という気持ちが同時にわいてくる。
エリカがターゲットになっていたら、あたしも目をそらしてしまったかもしれない。
なにも言うことができないかもしれない。
悲しい気持ちになる反面、仕方ないとあきらめる心もあった。
「恵美」
突然名前を呼ばれて顔を上げるといつの間にか目の前に聡介が立っていた。
「なに?」
聞くと同時に聡介に手をつかまれて立ち上がらされていた。
よろけて何かにつかまろうとしたとき、数人の男子たちがあたしに向かって手を伸ばしているのが視界に入った。
え……?
なにかを考えている暇もなく、手を引かれて教室から走って出てきていた。
聡介はそのまま何も言わず、空き教室へ滑り込むと鍵をかけた。
廊下からバタバタとあたしたちを追いかけてくる足音が聞こえてきて、すぐに乱暴にドアをたたく音が響いた。
「おい! 女連れて逃げてんじゃねぇよ!」
「聡介の彼女なんだから、悪いようにはしねぇって!」
クラスメートたちの聞きなれた声に愕然とする。
それはさっきあたしを捕まえようとしていた男子たちの声で間違いなかった。