人権剥奪期間
「……好きにしなさい」


先生から告げられた言葉にあたしは勢いよく顔を上げた。


先生はすでに黒板へ視線を向けて授業を再開させている。


教室中にブーングが怒るが、知らん顔だ。


「行こう恵美」


驚いて立ち尽くしていたあたしの手を聡介が握り締める。


あたしは大きく頷き、2人して教室を出たのだった。
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