人権剥奪期間
「それなんだけど、一緒に食料を調達してくれる人を探してる」
一はそう言うとかばんから財布を取り出した。
「どこに行くんですか?」
あたしは聞いた。
「食堂だよ。授業時間でも販売くらいしてくれると思う」
食堂は1階の際奥に位置している。
授業中だから誰かに会う心配はないと思うけれど、食堂で働いている人たちとはどうしても顔を合わせることになる。
そうなったとき、相手が攻撃してこないとは言い切れない。
どうしようかと考え込み、みんなが黙り込んだ。
「一応……」
小さな声で言ったのは花子だった。
いつの間にか顔を上げてこちらを見ている。
会話も聞いていたみたいだ。
「商品を襲うことができるのは、商品が自由にできる時間だけかもしれないっていうのを聞いたことがある」
花子はスマホを取り出し、画面をこちらへ向けて言った。
確認してみると、それは以前商品になった女の子が書いたSNSだとわかった。
《商品になっても授業中は攻撃されない?》
《アラームが鳴るタイミングは一定じゃない》
《夜中になっても安心できない》
断片的にだけれど、自分の身に起こった出来事を書いて行っているのだ。
一はそう言うとかばんから財布を取り出した。
「どこに行くんですか?」
あたしは聞いた。
「食堂だよ。授業時間でも販売くらいしてくれると思う」
食堂は1階の際奥に位置している。
授業中だから誰かに会う心配はないと思うけれど、食堂で働いている人たちとはどうしても顔を合わせることになる。
そうなったとき、相手が攻撃してこないとは言い切れない。
どうしようかと考え込み、みんなが黙り込んだ。
「一応……」
小さな声で言ったのは花子だった。
いつの間にか顔を上げてこちらを見ている。
会話も聞いていたみたいだ。
「商品を襲うことができるのは、商品が自由にできる時間だけかもしれないっていうのを聞いたことがある」
花子はスマホを取り出し、画面をこちらへ向けて言った。
確認してみると、それは以前商品になった女の子が書いたSNSだとわかった。
《商品になっても授業中は攻撃されない?》
《アラームが鳴るタイミングは一定じゃない》
《夜中になっても安心できない》
断片的にだけれど、自分の身に起こった出来事を書いて行っているのだ。