人権剥奪期間
「本当だ。これが本当のことなら授業中に食堂へ行けば攻撃はされないんですね?」


聞くと、花子は左右に首を振った。


「え? でも今書かれているのを見たらそう書いてましたよね?」


「そう。だけど結局この子は殺された。どれだけ調べて分析しても、なぜか逃れられないのがこの法律」


花子はそう言うとスマホをスカートのポケットに戻した。


あたしは花子の言葉に目を見開いて唖然とした。


死んだ?


あんなに冷静に自分の状況を残していた子が死んだなんて信じられなかった。


「この法律は俺たちで遊ぶための法律だ。ルールを見破られそうになったら変更くらいするんだろ」


大志がフンッと鼻を鳴らして言う。


だとすれば、今外へ出ても危険かもしれない。


そう考えると背中に汗が流れて行った。


「見つからないようにすればいい」


そういったのは一だった。


一は真剣な表情であたしたち5人を見つめている。
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