人権剥奪期間
ご飯を食べ終えて1時間ほど経過したとき、不意にアナウンスが流れ始めたのだ。


《お待たせしました。これから明け方までは狩の時間です。商品であるみなさまは、狩人である先生方から逃げてください》


2度同じ放送が流れてもすぐには内容を理解できなかった。


「狩人ってなに?」


やっと口を開いたのは舞だった。


あたしはブンブンと左右に首をふる。


わからない。


わかりたくもない。


だけど体はすでに反応していて、心臓は早鐘を打ち始めていた。


「今度は朝まで先生から逃げろってか」


大志の歯軋りが聞こえてくる。


「そんなの無理。朝までなんて逃げ切れるわけない」


花子が答える。


あたしは不安なまなざしを聡介へ向けた。


聡介もさすがに青ざめている。


「生徒を早く帰らせたのは自分たちのお楽しみ時間を確保するためだったってことだ。信じらんねぇ」


大志が尚も悪態をつく。
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