人権剥奪期間
準備室には生徒にはあまり触れさせられないような機械も沢山置かれている。


それを使って一の体を切断したのだ!


理解した瞬間吐き気がこみ上げてくる。


悲鳴と吐き気をどうにか押し殺してあたしは目を見開いた。


先生はいったいなにをするつもりなんだろう。


いやな予感がして心臓が早鐘を打ち始める。


次の瞬間、先生は切り刻んだ胴体も作業代の上に置き、中から臓器を取り出して口に入れ始めたのだ。


クチャクチャと音を立てて粗食し、飲み下す音が聞こえてくる。


死体を食べてる!


恐怖で体が小刻みに震えて、座っているのに今にも倒れてしまいそうな感覚に襲われる。


「新鮮な肉はやっぱりうまいな」


そんなことを呟いて先生は食事を続けている。


先生にこんな趣味があるなんて知らなかった。


もしかしたら残っている商品たちも殺された後こうして食べるつもりでいるのかもしれない。


だとしたら、あたしも……?


先生に食べられている場面を想像してしまい、嗚咽を漏らす。


幸い先生は食事に夢中で小さな音には気がついていなかった。


しかし、このから先は地獄の時間の始まりだった。


先生がここにいる限り出て行くことはできない。


少し体勢を変えることくらいならできるけれど、それ以上の動作は難しい。


次第に足が痺れてきて、体も痛くなってきた。
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