人権剥奪期間
「キャアア!」


思わず大きな悲鳴を上げていた。


あたしの真後ろでしゃがみこんで、こちらをジッと見つめている先生。


「やぁ」


先生はニタァと笑顔を浮かべてきた。


全身から血の気が引いていく。


そんな、いつの間にあたしの真後ろまで移動してきたの!?


先生の手が伸びてきてあたしの髪の毛をわしづかみにした。


そのまま作業台の下から強引に引きずり出されていた。


髪の毛がブチブチと抜ける音が耳元で聞こえてきて激痛が走る。


「痛い! やめて!」


叫んで暴れるが、筋肉質な先生にはかなわない。


先生は片手であたしの髪の毛を鷲づかみにして無理やり立たせた。


「君は北上くんか」


先生がグッと顔を近づけてくる。


血なまぐさい匂いが鼻腔をくすぐり、また吐き気がした。
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