セフレのテラダ
いつもと違う空気。

最寄りの地下鉄の駅までの道。

「みんな、奥さんいて赤ちゃんも産まれるっていうのに、そんなことしちゃうんだね。」

心のモヤモヤをテラダにぶつける。

少し先を歩いていたテラダが振り返る。

「まあ確かに俺ら、一発やれればいいかな、くらいにしか思ってないからね。合コンで会う女の子なんて。」

静かにテラダのハハッという乾いた笑いが響く。

冗談が悪過ぎる。

「酷いよ。」

つい口から漏れた。
分かっていたけど、最低な男。

私が地面を見つめると、テラダの珍しく低い声が響いた。

「女だってどうせ金目当てじゃん。俺らと合コンするのなんて。」

ハッとしてテラダを見ると、その顔から笑顔は消えていた。

「そんなことないよ。」

嘘をついたかもしれない。
私の声はこもっていた。

企業名があっての彼らだ。
合コンに喜んでいた女からしたら。

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