セフレのテラダ
「なに?」
「おーーー!会いたかった!すげー会いたかった、俺!」
「は?」

私はその彼の圧に少し引きながら答える。

「テラダー!エレベーターきたよー!」

集団の中の一人が彼に声をかける。
彼は集団に向かって大声で「ごめーん!」と言う。

「俺二次会やめるわ!」

集団の男女がざわつく。
明らかに、男女5:5で合コン。
男性陣は相変わらずイケメン揃い。
女性陣もレベルが高い。

「えーなんでー?」という女性陣の声を無視して私の方に視線を向ける。

「おーおーおー、会いたかったよ。もう帰んの?」
「うん。もう帰る。」

私が言うと、「よし」とガッチリ肩を掴んできた。

「じゃあ、飲み行こ。」
「は?」
「飲み行こ。」

なんで。
なんでこうくるの?

何も返事できずにいるのに、その男は私を肩から押すように歩き出す。

「待って待って待って。私、帰るんだって。」
「なんでなんで、あれ?休みカレンダー通りって言ってたよね?」
「だから何?」
「華金じゃん、イェーイ」
「イェイじゃない、帰る。」
「いいじゃん、いいじゃん。」

軽い。
軽過ぎる。

こういうノリが、私はすごく苦手だ。
初めて見た時から。

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