セフレのテラダ
二人でおでんを食べた後は、テラダのあぐらをかいた膝の上に頭を乗せて横になった状態でさっきの映画を観る。

テラダが気付いたら静かに私の頭に大きな手を乗せている。

テレビの方向いている姿勢をグルリと上に向ける。

下から見上げるテラダの顔。
テレビを見てるまま。

今日なんで来たの。

その顔に心の中で問いかける。

と、フワッと膝の中にいる私を見下ろしてきた。

エスパー?

少し微笑むずるい顔。

ゆっくりとそのまま顔が降りてきた。

テラダとキスをする。

すっかり暗くなった私の部屋で。

映画の中の声が一時聞こえなくなる。

テラダとのキスは夢中になる。
なぜか分からないけど。

顔がゆっくり離れた。

「テラダ、口でしてあげようか?」

ふいに出た言葉。

「体調悪い人にそんなことさせるわけないじゃん」

テラダは鼻で笑うように言う。
そしてまた大きな手のひらで私を包み込むように頭を撫でる。

じゃあなんで家来たの。

テラダの手がじんわりとあったかくて、私は静かに目を瞑る。

ゆっくりと過ぎていく土曜日のクリスマスイブ。

一緒に横になる。
肩からすっぽり毛布をかぶって。

「どこ痛いの」と言いながらお腹全体探る手を、私は下腹部に誘導する。

テラダの手が温めてくれてるからか、なんとなく痛みが和らぐ。

たまにテラダが頬やおでこに軽いキスをする。

そのままテラダの添い寝で朝まで過ごした。


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