セフレのテラダ
20分後。
インターホンが鳴る。

「はい」
「きたよー」

いつもの慣れた声。

ドアを開けると勢いよくテラダが入り込んで来た。

そして私をそのまま抱きしめる。

その力の強さに驚く。

「はや。」

テラダの背中に腕を回す。

寒い夜。
冷えた体。
自転車でホントに来たんだ。

「寒かったんだね」

背中をさすってあげる。

「あったけえ」

テラダが私の耳元で言う。

テラダの頬が冷たい。

こんなに抱きしめ合うことが、幸せなことだなんて。

そしてそれを教えてくれたのがセフレのテラダだなんて、あまりにも皮肉な話だ。

「すげー久しぶりな気がする」

テラダはそっと私をベッドに横たわらせながら言う。

「1ヶ月ぶりだね」

テラダの指先にキスをする。
そしてそのまま舌で這うように舐めた。

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