ちいさなことばをひろいあつめて【短編集】
 私は渡り廊下でも清水の舞台からでもなくこの場から飛び降りる事にした。



 意を決して目の前の高田くんを見据える。

 私がただならぬ空気を醸し出しているのに気付いたようで「な、何?」とどもりながら聞いてきた。


 私は小さく息を吸うと心臓がバクバクと動く左胸を押さえながら静かに言葉を口にする。
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