スイレン ～水恋～

ずっとあたしのお兄でいて。

言って寂しくなっては。さめざめ泣いてエンドレス。

『お前が他の男のものになる時は･･･俺も不甲斐なさそうだな』

声がやんわり耳の奥に聞こえた。気もした。





･･･目が醒めたら見慣れた天井。家を出る前と変わってない自分の部屋のベッドの中。瞼が腫れぼったいわ、頭も重いわでお昼過ぎまでゾンビになってた。

のそのそ起き出すと、お手伝いの海野(うみの)さんに雑炊を作ってもらい遅いブランチ。どうやら、お兄達はお祝儀をもらった関係者への挨拶回りで出かけたあとだった。

顔向けできない位にやらかした記憶が鮮明だし、ベッドに運んでもらったりその他モロモロ。あとで謝らなくちゃ･･･杏花さんにも。