スイレン ~水恋~
1-2
『お疲れ~!』
いわゆるゴールデンウィーク突入前の週末。会社帰りにお互いの中間くらいの駅で待ち合わせして、秋生ちゃんと居酒屋女子会。冷えたジョッキを合わせてさっそく乾杯。
「こないだはありがとう秋生ちゃん。お兄も喜んでた、あたしの結婚祝い!」
「夫婦茶碗でも贈るのかと思ったらマッサージチェアって言うし?ラッピングしてくれって梓がドヤ顔したときの店員さんの『は?』ってカオ、思い出したら笑える-」
ケラケラ笑うあたしより二つ上の、藤代秋生ちゃん。秋に生まれるで“ときお”。綺麗な響きであたしはすっごく好きなんだけど。本人曰く、大抵“あきお”って読まれるし男女も不詳で、本人確認がいちいち死ぬほど鬱陶しいって。
性格は男前の彼女は、通ってた私立高校の先輩だ。ひょんなことで極道の娘同士って感づいちゃった以来の仲良し。しかも同じ櫻秀会系だから余計に気が置けない。
これでもし、どっちかが櫻秀会と二大勢力って言われてる秋津組系だったりしたら。親は親だから・・・とはそれでも言えなかったと思う、お互いに。
「だって考えに考えたお祝いなのに、ただの段ボールで配送なんて妹的に許せないし~」
「重量考えなさいよー。何でもリボンかけるとか、あんなの漫画だけだからね?」
・・・ごもっともです。
いわゆるゴールデンウィーク突入前の週末。会社帰りにお互いの中間くらいの駅で待ち合わせして、秋生ちゃんと居酒屋女子会。冷えたジョッキを合わせてさっそく乾杯。
「こないだはありがとう秋生ちゃん。お兄も喜んでた、あたしの結婚祝い!」
「夫婦茶碗でも贈るのかと思ったらマッサージチェアって言うし?ラッピングしてくれって梓がドヤ顔したときの店員さんの『は?』ってカオ、思い出したら笑える-」
ケラケラ笑うあたしより二つ上の、藤代秋生ちゃん。秋に生まれるで“ときお”。綺麗な響きであたしはすっごく好きなんだけど。本人曰く、大抵“あきお”って読まれるし男女も不詳で、本人確認がいちいち死ぬほど鬱陶しいって。
性格は男前の彼女は、通ってた私立高校の先輩だ。ひょんなことで極道の娘同士って感づいちゃった以来の仲良し。しかも同じ櫻秀会系だから余計に気が置けない。
これでもし、どっちかが櫻秀会と二大勢力って言われてる秋津組系だったりしたら。親は親だから・・・とはそれでも言えなかったと思う、お互いに。
「だって考えに考えたお祝いなのに、ただの段ボールで配送なんて妹的に許せないし~」
「重量考えなさいよー。何でもリボンかけるとか、あんなの漫画だけだからね?」
・・・ごもっともです。