スイレン ~水恋~
両親からは、恒例の祝儀袋を出かける前にありがたくいただいて。あっても困らないモノだし使い途も自由だし。プレゼント考えるの面倒がられてるとか、ひねくれてないから。うん、ないから。
「明日は有休扱いで飲み潰れても構わんらしい」
ネクタイを抜きながらシャツのボタンを緩めたお兄が、悪戯気味に口角を上げる。
そんなの初耳で、脇に控えてる“社長”を仰ぐと無言で肯定された。珍しい甘やかし方。志田にしては。
「しばらく立て込んでてな、ろくに電話もしてやれなくて悪かった。今夜は何でも聞くぞ?欲しいなら車でもマンションでも買ってやる、遠慮するな」
「なんかそれってアイジンみたい」
あたしは小さく吹き出す。
「俺がお前の話ばかりするから杏花にも妬かれる。妹離れをしろと言われるが、どうだろうな。・・・俺の一部みたいなものだからな」
淡い笑い顔に胸がぎゅっと締め付けられた。
「明日は有休扱いで飲み潰れても構わんらしい」
ネクタイを抜きながらシャツのボタンを緩めたお兄が、悪戯気味に口角を上げる。
そんなの初耳で、脇に控えてる“社長”を仰ぐと無言で肯定された。珍しい甘やかし方。志田にしては。
「しばらく立て込んでてな、ろくに電話もしてやれなくて悪かった。今夜は何でも聞くぞ?欲しいなら車でもマンションでも買ってやる、遠慮するな」
「なんかそれってアイジンみたい」
あたしは小さく吹き出す。
「俺がお前の話ばかりするから杏花にも妬かれる。妹離れをしろと言われるが、どうだろうな。・・・俺の一部みたいなものだからな」
淡い笑い顔に胸がぎゅっと締め付けられた。